時々…散文詩 地中海から
世界は、貴方の内側につくられていくのかもしれない…
時々…散文詩
今回は、井上靖氏の地中海をご紹介します。暑い1日に、せつなさを そっといただく…
おすすめです。
※地中海は1ページ半の散文詩です。
画像は、参考まで…
地中海のあらすじ…
前半…
小学生低学年の井上靖氏(以後、彼)が、1人の教師が 雨上がりの校庭の水溜りを指して、これが地中海だと言っているのを聞き、それ以来 彼の中(内側)で地中海は水溜りの様なものとしてあり続ける様子が…書かれています。
「それ以来、私には地中海というものは、常にそのようなものとして考えられた。長じて、私はその水溜りの周囲に赤い花を配した。夾竹桃が地中海の象徴あるという文章をどこかで読んだからである。」(文中から)
半ば…
彼が大人になり、実際に地中海を見た時の様子が…書かれています。
「いずれの時も、眼をそこに当てている間は 地中海は大きな海であったが、眼をちょっとでも反らすと、それは小さな水溜りになった。」(文中より)
後半…
実際の大きな地中海を眼の前に、彼の心は子供の頃に知った小さな水溜りの地中海へと … 彼の内側の地中海へとすいこまれていく様子(行動)が…書かれています。
「私は水溜りの畔りのレストランで食事をし、水溜りの畔りのホテルで眠った。ホテルではいつも、明方、退屈で、平穏で、一点どこかに烈しく物哀しいところのある夢を見た。」(文中より)
結びは、さらりせつなく…正直に
◻️地中海/井上靖詩集
清岡卓行編 世界の詩74
つぶやき
内側で大切に育てられたモノの音や香り…
現実の大きな地中海を眼の前にしても、
身体の中で水溜りの地中海の小さな波音が響き渡り…
その僅かな潮の美しい香りに 心がすいこまれてしまう…
世界は、私の内側につくられていくのでは…
井上靖氏の地中海を詠むたびに、その様な気持ちになります。
私の内側にも…水溜りの地中海の様なモノがいくつも存在します。貴方の内側には?
見えない重さに…人はすいこまれていく。
不意に開くページに、
その時の空の重たさを知る
井上靖詩集/世界の詩 74 は、私が体調を崩し 叶わぬ旅の代わりに 求めた一冊です。
いつも最後の一節に 心がすくわれます。
知るという事の大切さ…
◻️ 風のワルツ#2+ 鴻来有希 +2019〜
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