色形の変化を大切に見守り 画肌を育てる…①

前回からの続きです。

現在 (2019年) 、ゆっくりな色の描き方は、大きく2つに分けられます。

⒈ 海辺の砂をメインにアクリル絵の具とあわせ描く
 2. 海水をメインにアクリル絵の具とあわせ描く

今回は、1. 海辺の砂をメインにアクリル絵の具とあわせ描く…ゆっくりな色の作品の楽しさを知るために、下記!3つについて書きたいと思います。

⚫︎ 作品の色形の変化について
⚫︎ 色形の変化の見守り方について
⚫︎ 色形の変化によって生まれる画肌の育て方について

是非、お読みください。
◻️ 海辺の砂をメインにあわせ描いたゆっくりな色作品 / 海 (いちぶ)2011〜 撮影2019

海辺の砂をメインにアクリル絵の具とあわせ描く…ゆっくりな色の作品!


絵筆による制作中…

海辺の砂をメインにアクリル絵の具にあわせて描いた場合、絵筆による制作中は然程!色形の変化はなく。(小さな変化はあります。)
制作を終え絵筆を置きます。
その後、時間窯(時間の経過)の中で、作品の色形がゆっくりと変化していきます。 
※ゆっくりな色では、時間窯という言葉を使います。陶芸家が 窯の中の火によって!作品の色形をつくるように、私も 窯の中の時によって!色形をつくるので、その様な言葉を使っています。

時間窯スタート…

まず!1日目、そして1ヶ月後、3ヶ月後、半年後…、時間窯(時間の経過)の中で、作品の色形の変化を見守り続けていきます。時間窯の中で、再び絵筆を使い描く事は決してありません。時間窯の中で、折々!画肌を感じながら、作品の置き方(環境)を変え!画肌を育てます。
※画肌とは、作品の色形の変化によって生じた、画布の表面の現れの事です。英語では、textureという言葉を用いています。

変化にあわせて対応する…

画肌は1日目に 大きく変わります。
大抵は、1日から5日ぐらいは、そのままアトリエで作品を放置します。
その後!最初の1ヶ月間は、色が走る(色形の変化が早く進む)ので、作品にあう!光や音や気温や湿度を感じながら、作品の置き場所 置き方を決めます。


決める時!大切にしているコトは、その作品の画肌の囁き…作品の声です。



チカラをお借りして…

そして、小さな工夫をする!

季節のチカラをお借りして、大切に色形の変化を見守り 画肌を育てます。
例えば、夏など気温が高いと 色形の変化は早いです。冬は気温が低く遅いです。また 冬は乾燥が強く、画肌が締まり硬くなります。 梅雨は湿度が高く、画肌は緩み柔らかくなります。後者は色形の変化を促しやすいです。
日本は季節があります。時々によってお借りできるチカラが変わります。日本の季節のチカラはとてもカラフルです!
※季節だけではなく、環境にもチカラがあります。その場所によって、光や音 気温や湿度が違います。環境のチカラもお借りします。


小さな工夫をする…♫

一時的に変化を遅らせたい!
画肌を眠らせたい!
画肌を目覚めさせたい!
細やかに変化させたい!
その様な場合は小さな工夫を楽しみます。

⚫︎大きな布を使う
布は、白い布と黒い布と2枚用意しています。4パターンで使い分け、作品に布を纏わせたり…♫ 裸にしたり…♫笑
特に光の調整を行いたい時に用います。

⚫︎ダンボール箱を使う
半年間〜2年ほど、ダンボールにしまう作品ももあります。ダンボールは、光や湿度や気温が保たれやすく、安定した環境の中で色形の変化を見守ることができます。

⚫︎お客様のご自宅やサロンに飾っていただく!
生活環境で、色形の変化を見守り育てる事もあります。※ホームステイによる積極的な色形の変化…いつか 画家のノートで書きます!

⚫︎アトリエ北側のダイニングの壁を使う
ダイニングの大きな壁は、常に♫ 作品が飾られています。ダイニングは北側にあり、わりと光が安定しています。生活音(空気)にふれながら変化させたい!その様な作品は、ダイニングの壁に飾り、色形の変化を見守り画肌を育てます。

⚫︎アトリエの壁を使う
アトリエは光や空気、気温や湿度が一定ではありません。不安定な環境を好む作品を飾ります。多くは一時的に使います。


イロイロ♫

私は、その時々の作品の声!画肌の囁き…を感じながら、作品それぞれの置き方や置き場所を決めていきます。


海辺の砂を中心にアクリル絵の具にあわせ描く!ゆっくりな色の作品は、気温や湿度、光や音など…季節や環境のチカラをお借りしながら、小さな工夫を行い、色形の変化を大切に見守りながら画肌を育てます。とても楽し時間です!
多くの作品は、最初の1年ぐらいで…画肌が育ち!個性が芽生えます。個性が芽生えたなら、その作品の個性に委ねて、小さな工夫はほどほどに…殆ど見守るだけになります。笑

◻️ダイニングの壁から…
現在の子は2年間ほど ココにいます。笑
生活音にふれながら…静かな光の中で色形をつくっています。
100号ぐらいまでは、この壁で見守ることができます。




時間窯の中での変化について

ゆっくりな色をスタートして10年…
ゆっくりな色の絵画(海辺の砂をメイン)の多くは、最初の半年と5年目あたりで大きな変化を迎えます。特に5年目あたりは、変化する作品は!かなり変化します。そのため、作品をお持ちのお客様によっては、5年目あたりで 作品の額装やマットを変えます。
※纏うもの…♫ 是非 お読みください。

5年目の色形の変化には…自然ならではの難しさと柔らかさがあります。
それは、生きていくヒントにもなります。
※描いていると、生きていくヒントをみつけるコトがあります。いつか 画家のノートで書きたいと思います。


書きたいことがたくさん…笑
今回は、色形の変化を見守り 画肌を育てる…①海辺の砂をメインに…描く作品について書きました。
次回は色形の変化を見守り 画肌を育てる…② 海水をメインに…描く作品について書きます。
両者は かなり違います!
人も絵画も変化はイロイロ…面白いです!笑
次回も、是非お読みください。


◻️ゆっくりな色
海水で描く絵画!鴻来有希のオリジナルの世界です。
ゆっくりな色は、アクリル絵の具に海水などをあわせ描きます。
アクリル絵の具が海の恵み(ミネラル・微生物・細菌など) や光や空気の影響を受けることにより、画布の中の色形が変化し続けます。
その画肌は呼吸しているようです。
筆を手放してから、時間窯の中で色形がゆっくりと変化を続けるゆっくりな色の絵画は、ワインの様に…何年ものの色という表現でもお楽しみもいただけます。


つぶやき

花を育てる様に…
家を育てる様に…
人を育てる様に…
変化を惜しみなく愛したい♫

知るということの大切さ…


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